盛ル。その4 アランチーニ または ライスコロッケ

もう20年近くも前に、イギリスはロンドン郊外の小さな街のチャリティショップ(いわゆるリサイクル屋)で買った大皿。子供が描いたような牧歌的な絵柄と2ポンド(当時¥350くらい)という安さに飛びついたものの、いかんせん重すぎた。どのくらい重いのかと量ってみたら、1.4kgほどある。よくまあ、持って帰ってきたものだ。食器棚では必然的に大皿が積んである一番下に→使われない運命。久しぶりに引っ張りだして、牛のいる草原に何を盛ろうかと浮かんだのがライスコロッケ!

ご飯300gにトマトソースを大さじ2、塩とこしょうで味を整える。ベースはこれだけ。ラップに60-70gのご飯をのせ、具材にお好みのチーズを入れる。ぎゅっとボールに丸める。チーズはモッツァレラでもピザ用のチーズでもプロセスチーズでも何でもいい。5〜6個のボールが出来る。あとはフライの要領で、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に付ける。180℃の油できつね色になるまで揚げる。まん丸なボールでも、生焼けの心配がないので気楽に早く揚がる。揚げたてが命!トマトソースをかけるとより美味しい。

トマトソースは市販でもいいが、自分で作ればやっぱり美味しい。私がよく作るのは、にんにく多めの玉ねぎ無しで、セージの生葉を入れたもの。鍋に多めのオリーブ油、にんにく2かけ(ごく細かいみじん切り)、セージの葉5枚を入れて弱火でじわじわ、決して焦げ色が付かないように炒める。いい香りがしてきたらトマト缶を1缶入れて煮込み、塩で調味する。

 


今月の器

絵付け大皿 28cm 1.4kg

 

 


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中村宏子/料理家
レシピやお料理にまつわるエッセイを執筆。
ケータリング、イベント出店など。

作ることと美味しいものに目がない。台所を実験室に、五感を総動員して食べ物と向き合う。料理や食事の途中で感動の瞬間を見つけたら、すぐ写真に撮っている。食材から感じる季節、器や道具、そして料理する…エッセイを通じて、”日々作って食べること”のきっかけになったら嬉しい。

 

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Author Little TAO