盛ル。その2 ゆらゆらと水餃子

一目惚れして買ったはずなのに何故か全然出番がない、というのは洋服も食器も同じようなところがあって、この象とバナナの木や椰子の木が描かれた鉢も、今までに一度しか使っていない。もちろん好きには違いないのだが、何しろ料理が映えない、器負けしてしまう。水でも張って眺めているのが一番かも?素麺でも入れて?豆腐でも入れて?杏仁豆腐でも入れて?水餃子でも入れて?そう、きっと白くて水の中で揺れているものが一番似合うはず。という訳で、水餃子を。

まずは餃子の皮作りから。ボウルに強力粉100g、塩ひとつまみ、植物油小さじ1、熱湯60ccを入れて、箸等でぐるぐるとかき混ぜ、手でひと塊になってボウルがきれいになるまでこねる。生地をラップで包み20分放置。ラップを外して両手で内側に丸め込むこと20回。ラップをしてもう20分ほど放置したら棒状に伸ばし、金太郎飴のように20等分に切る。打ち粉(強力粉)をまぶし、まずは手のひらでつぶす。麺棒で直径5-6cmほどに伸ばす。市販の餃子の皮ほど薄く大きくしようと思わないでいい。くっつきやすいので打ち粉は多めに。均一に丸く伸ばせなくてもご愛嬌。

お次ぎは餡作り。豚肉(塊肉、もしくはスライスや小間切れ)240g、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1、片栗粉大さじ1、生姜のすり下ろし小さじ1、香菜(パクチー)好きなだけ、黒こしょう多め。豚肉は粗みじんにする。香菜も粗く刻む。ボウルに全ての材料を入れよく混ぜる。これを皮に包むのだが、少々皮をひっぱり気味に縦の楕円のイメージで、ひだは寄せずに水を付けて閉じる。鍋に湯を湧かし、少量ずつ茹でる。浮いて来てから1分ほどですくいあげる。お好みで酢醤油やからしを付けて。

※半量を海老にしても。豚肉を切るのが面倒な人は豚ひき肉でも。
※香菜の代わりに紫蘇や細ねぎなどでも。

今月の器

スリランカ鉢 直径23.5cm×高さ7cm
今は無きスリランカ料理店『すらさ』にて購入。スリランカ人のシェフと日本人の奥様で切り盛りしていた店で、カレーの皿はもちろん、水のコップに至るまで奥様作の陶器だった。しかも、これでもかというほどびっしりと絵付けされた器たち。棚には小皿から壺までぎっしりと作品が並び、値段が付いていなくてもほとんどが売り物だった。

 

 

 


ubsna

中村宏子/料理家
レシピやお料理にまつわるエッセイを執筆。
ケータリング、イベント出店など。

作ることと美味しいものに目がない。台所を実験室に、五感を総動員して食べ物と向き合う。料理や食事の途中で感動の瞬間を見つけたら、すぐ写真に撮っている。食材から感じる季節、器や道具、そして料理する…エッセイを通じて、”日々作って食べること”のきっかけになったら嬉しい。

 

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Author Little TAO