About KINTSUGI

「金継ぎ」という事をまだまだご存知ない方もいらしゃるようなので、とても簡単にざっくり書いてみます。

金継ぎとは?

「金継ぎ」は、陶器などの割れや欠け、ひびなどを修復する日本の伝統的な修復技法です。
金継ぎの技法は、割れたり欠けたりしてしまった陶磁器や漆器などを漆で修復する方法です。漆は、ウルシ科のウルシの木から採れ、乾燥させると非常に強力な硬化作用を持ちます。
この技法の歴史は古く、漆で継いだ跡のある土器が縄文遺跡から発掘されています。割れや欠けを修理して使う考え方は、古代から日本人の暮らしの中にあったものであることが明らかになってきているそうですよ。

中国では割れを金属のカスガイで固定するという技法もあったようですが、フランスの古い食器でやはりカスガイで止められているモノを見たことがあります。(何年代に修復されたのかは不明ですが、、。)
ヨーロッパでは修復とは以前の姿を取り戻すことという考えなので、以前の姿を復元させることに力を注ぎます。そこが金継ぎと大きく異なる点です。金継ぎするとむしろ破損部分が目立ってしまいますし、別の姿になってしまうので古代ヨーロッパでは打首になってしまうかもしれませんね。
その違いを楽しむ日本人の目の付け所がまた面白い民族だなと感心します。

そして、湿気を吸いながら?乾いていくという特徴を持つ漆が日本や東南アジアで日常的に使われたというのは納得が行きます。ヨーロッパは乾燥していて作業しにくいと想像できますので、漆があったとしても発展しにくい環境です。海外では漆を「 japan 」と呼ぶほど代表的な日本の工芸技術なのです。

さて、今のような金継ぎ技術が誕生したのは400年以上前の安土桃山時代から江戸時代ごろ、「茶の湯」の時代。傷跡を「景色」としてとらえ、継ぎ目を金や銀、真鍮などの金属粉で装飾していきます。
「金」以外の「金属粉」は、アクセサリー同様、酸化や硫化で変色してきますが、それさえも日本人は侘び寂と言って楽しみを見出すというポジティブシンキング。個人的にはそこに大変魅力を感じています。

もっと色々興味が出た方は、大海原へどうぞ。
ちょっと覗いてみたい方は現代金継ぎのワークショップへどうぞ参加しにいらしてください。


高価な器や花器でなく、日常の雑器だったとしてもお気に入りの使い勝手の良い器だったり、大切な思い出のモノであったりまさにプライスレス。自分にしかわからない価値ではあるけれど、大切に使いたいモノがそれぞれあると思います。漆の金継ぎは時間もお金もかかり(わたし的には)ハードルが高めであります。もちろん漆で修復したものを見ると滑らかで美しい仕上がりです(上手になれば!ですが)。わかっちゃいるけど、、サクサク直して、ガンガン使いたい!そんな方に現代金継ぎは向いているような気がします。


Author Little TAO