2018 ツアー 沖縄 『陶器工房 壹』アトリエ訪問

何年振りかの沖縄訪問。
忘れないうちに備忘録を。

今回は陶芸家の壱岐幸二さんの陶器工房 壹を訪ねるために。
と、友人のイベントに合わせてエイっと飛んでみた。

 

安い飛行機なので夜の那覇に着地。
今年は東京の猛暑がすごすぎて、暑いハズの沖縄が爽やかに感じる。海風が心地よい夜。
写真は、ずーっとお世話になったドミトリー。24時間openしていてとても清潔感のある過ごしやすい宿。スタッフの距離感も程よくて居心地よかった。THE KITCHEN HOSTEL AO

宿も飛行機も友人まかせ。時刻表ヨムノニガテ。感謝してます。

 

目的地は読谷村。やちむん(やきもん)の村。
ほぼ貸切のバスで那覇から一時間ちょっと。終着のバス停まで壱岐さん直々に迎えに来てもらう。

壱岐さんと知り合ったのは2015年。表参道のGallery TAOでわたしがアシスタントをしていた頃。壱岐さんの展示があった。オーナーからは次はこんな人よ。と、野焼きのような小さな家を模した骨壷の写真を見せてもらった。沖縄の瓦やシーサーのような素朴なイメージ。

そしてDM撮影のために送られてきた作品は、銀色のオスプレイ。開けた瞬間、オーナーは若干固まってましたけど。笑。京都生まれという、少し外の目線で見つめ続けている第二の故郷への深い想いなのか。この話は長くなりそうなので、またいつか。とにかくそんな出会いを経て、図々しくもお迎えに来てもらった訳なのです。

 

まずは腹ごしらえ。壱岐さんの器も使われている美味しい食事処『島やさい食堂 てぃーあんだ』へ連れて行っていただく。定食には一通りのザ・沖縄!といった食材が並んでいる。ゴーヤ、もずく、ラフテー、ジーマミー豆腐、海ぶどう、などなど。マグロのお刺身があって不思議に思ったのだけど、日本で唯一冷凍しないマグロを食べられるのが沖縄だそう。一番好きなのはジーマミー豆腐。ムチムチ感がたまらない。これにデザートもついて沖縄満喫の大満足のランチタイム。

 

そして、やちむんの里を案内してもらう。壱岐さんの師匠 大嶺實清氏が工房を構える土地であり、壱岐さんが長年陶芸と向き合ってきた場所でもある。

写真の樹のように見えるモノ。なんと壱岐さんが若かりし頃に作成した陶器! もはや景色と一体化していて樹にしか見えない。樹だと思ったし。わたしの背丈よりも高い。しかし大きな窯で焼いたのだなぁ。どうやって焼いたのかな?どうやって運んだのかな?? なんてシロートのわたしの頭にはハテナマークが飛び交う。

 

大嶺工房前の大きな壺。木陰でなんとも気持ち良さそうにデンっと構えている。樹も葉が大きくてわさわさのびのびと、とても気持ち良さそう。残念ながら大嶺氏には会えず、作品だけを拝見。

 

登窯。この中にぎゅうぎゅうと作陶したモノを詰め、総出で何日もかけて窯をたく。たくさんの薪と人手が必要なのだ。そして体力。大きな薪を運んでくべて火の機嫌を見ながら焼いていく。想像しただけで大変な重労働。下から上へ登っていく炎のムラが作品を仕上げる。どれだけコントロールできるのだろうか。長年の経験と知識がなければできない技。どんな気持ちで窯を開けるのだろうか?

 

土から土を作る場所。

土を水に沈めて、漉して、乾かして、何日もかけて、やっと作陶できる土ができる。
作陶する工房にもお邪魔させていただいた。羨ましいひろーい工房。暑いけど。大きな扇風機がアチコチでブンブン回っている。会う人会う人、壱岐さんの知合いでみなさんお茶とお菓子を勧めてくれるので断れず、お腹がタプタプに。全部回ると時間が足りないので途中で離脱。ここから全国へ一体どれくらいたくさんのヤチムンが送り出されているのか。青い空の下で夢の中にいるみたい。

 

やちむんの里を後にして

少し北の海の方へ。
陶器工房 壹へ向かう。

 

ちょっとより道。
国指定史跡 座喜味城跡。風の吹き抜ける丘に立つ石の城。ラピュタかと思った。笑。石のアーチにまたハテナマークが浮かびまくる。

 

サトウキビ畑を車で抜けていくと、本命の『陶器工房 壹』へ到着。
なんとモダーンな建物が!ぽつっと現れる。

 

 

焼成前の作品があり、ビクビクしてソロソロと歩く、、。

 

2Fはギャラリースペース。少し向こうに水平線が見える。

 

この棚は、壱岐さんが器と別に作成している作品群。器もかっこいいのだけれども、作品もいいのです。個人的には素焼きのモノが好み。
左から2列目上から2段目と3列目上から2段目が、2015年にGallery TAOで展示したオスプレイ。

 

そして何故か金継ぎのレクチャーを壱岐さんに。綺麗にできました。
その後、作品を買ってくださった方から修復の依頼がきたそうで、よきタイミングで行けてよかったな。と。

 

 

こちらは私がゲットした、壱岐さんの作品。
土器みたいですよね。器を買おうかと思ってたけどコレに釘付け。焼きムラ萌え。

 

今回の旅で初めて知りましたが、沖縄の八重山諸島にある新城島(あらぐすくじま)は通称パナリと呼ばれパナリ焼きという土器が200年ほど前まであったそうです。壱岐さんの野焼き武勇伝も面白かったなぁ。

余談ですが、新城島は御嶽(神社のような神聖な場所)がたくさんある小さな島で島民以外は祭に参加できず、祭の写真や撮影はもちろんのこと絵に描きおこすことさえ禁じられているそうです。ジュゴンの生息地だったそうで、海や島の写真はとても美しく魅力的です。そんな小さな村でどうやって土を作り焼いていたのか興味深々。上陸できる日がきますように。

SNSが発展した今、近況を知り近くに感じますが。やっぱり現地へ行って、空気を吸い、風を感じて、フレームの外にあるモノを見て、声をそばで聞き、温度を感じるコトを嬉しく感じました。

人生短し恋せよ乙女。な気分でいこう。
次回は工房で、さらにお世話になり絵付けなどしたいなぁ。
壱岐さん、さらに図々しくまたお世話になります。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Author Little TAO