Report on NOYAKI 2023

2023年4月 岐阜県瑞浪市大湫町 KANDA HOUSEにて開催された陶芸家、猪瀬市子さん主催の野焼き(縄文焼?)レポートです。

西双版納(シーサンパンナ) スタイルの野焼きで、 陶芸家 ゴンちゃん(中村崇さん)を講師に迎え。カネ利陶料のトシさん(土博士!)の理論を融合した野焼き。陶芸家の田中礼さん、中山なつきさんにもご協力いただきました。

実に4年ぶりの野焼きです。毎年10年くらい山梨や長野で野焼きをしてきましたが、covid19の影響でなかなか開催できずにいました。また、現地で準備をしてくれていた方々も引越をしたり生活がかわったりとなかなか次の開催は難しいなと思っていたところ、市子さんが野焼きをすると聞いて東京から岐阜まで馳せ参じました。

いつもは乾燥した木を使うキャンプファイヤースタイルでしたが、今回は乾燥した木に加えて生のフレッシュな木や葉なども一緒に焚くというスタイルでとても新鮮なやり方でした。
作品を設置した上や隙間に、籾殻、生木を詰め、その上に生木と乾燥した木を立てかけていき、藁をかけ、土を盛っていきます。口火は3つ。少しずつ火を焚いていきます。中の生木は火がつきにくく水分が多いので蒸し焼きのような状態になります。そしてゆーっくりと枯れ木にも火がつき、ゆーっくりと燃えていきます。
その時にフレッシュな木からでる樹液が土に染みこみ面白い景色を描く事もあります。籾殻も黒い縄文らしい色を醸してくれる効果があります。(おおざっぱに言えば)
シーサンパンナ方式のメリットとしては、ゆっくりと温度があがるので土が割れにくい事と土で覆っているのでキャンプファイヤ式(は、オープンなので)よりも温度が高くなるという事です。デメリットは準備が大変!なのと、時間がかかることです。

でも、縄文の生活様式を想像してみると。家があり、煮炊きする場所があり、土や樹がすぐそこにあり、その隣で窯を作り、ゆーっくりと焼き上げるというのは理にかなっている気がしました。最初に火の面倒をみれば後はほっておけば焼けるのです。なんならゴハンを作るついでに。焼くためではなく、生活の横で必要なモノを作っていたのかな?と想像します。

現代人にとっては、わざわざ感がハンパない。
そこで、やっぱり据え置きの窯にしたいねという話になり「耐火煉瓦とか土で窯を作ってさぁ」なんて言っていたら「そうやって登り窯とかできたんだねぇ……」と、ちょっと遠い目になりました。ナルホド……………。
窯の姿カタチは変わっても、土を焼くという事は本当に何万年も変わらないというところが面白いですね。

土の中には宇宙からの成分も含まれているんだとか!? 火と水で変化して無限の可能性があって、まるで科学なのです。探求の旅はまだまだ続きます。


追記:
猪鹿スープや、採れたて山椒で作った山椒味噌、味噌は市子さんの手前味噌、裏で採れた山菜の天ぷら、そこの田んぼのお米、近所の平飼い卵!手入れのされた里山、少し遅い満開の桜。本当に滋味深い豊かな恵みをたくさんたくさん頂きました。

ありがとうございます!

準備から焼きあがりまでをギュッとまとめました。

Author Little TAO