Tao Diary vol.3

氣功の動功の練習ですが、基本の童子功という功法は
全部で12の型があり、ひとつの型を9回行います。
ワークショップでは時間が限られているので、
9回ずつ行っていますが、本来はひとつの型を36回行います。

この数字には意味があります。
道教では一年を360日と考えます。
それを陰陽二氣の2で割ると180になります。
この180を「陰陽」と同じく大切な概念である「五行」の5
で割ると36になります。
この36という数は道教の基本的な数字なのです。
ですので、動功も本来であれば36回行いますが、
最小単位の最も強い数字である9回で動功を行います。

この「陰陽五行」について少しお話したいと思います。

陰陽思想は五行思想の前、かなり古くから中国にあった概念です。
この宇宙のすべてを作った大元の氣=エネルギーは二つの側面を持っています。
この世の中の物質は、一方があるからもう一方も存在しています。
昼と夜、夏と冬、男と女、子供と大人、などなど・・・。
どっちが良い悪いということではなく、
この二つのバランスが大切だと教えています。

また五行思想ですが、「五行」の「行」には「巡る」という意味があります。
この世界のあらゆるものはこの5つの質でできており、
それがお互いに関わり合いながら動いていくと考えるのが五行説です。
「五行」の「五」は自然界にある「木・火・土・金・水」という
五つの性質を表しています。
木は火を生み、その燃えカスから土が生まれ、土が堆積して金属が生まれ、
金脈から水が生まれ、水から木が生まれる、という考え方で
この五つの質が循環しながら、自然界はバランスを取っていると考えます。

また、この五行の質を季節や方角、人間の五臓などに
当てはめて説明することができます。
季節なら、木=春、火=夏、土=真夏、金=秋、水=冬。
方角なら、木=東、火=南、土=真中、金=西、水=北。
五臓なら、木=肝臓、火=心臓、土=脾臓、金=肺、水=腎臓。
この他にも五行を当てはめて説明できるものが色々あります。
陰陽思想と五行思想、中国の哲学や中医学の分野でも必ず出てくる言葉です。
頭の片隅に置いておいてくださいね。